自分の中でのルールとして、今年の取り組みは
「長距離」か「潮見が難しい未漕域」としています、まあ自己満足ですな。
そして今回は「大島全周グルリ旅」を中心にキャンプの予定を組みました。
本来3連休の場合は「土日のガッツり漕ぎ&月曜は完全休養」って形、
つまり翌火曜からは万全の体調で業務に当たれるようにしたいのですが、
今回は転流の時間の加減と 距離との兼ね合いで3日間全日出動です。
そしてこれで自分の足跡で、しまなみ海道全海域を訪問した事になります。
尚 未漕だったのは下の図の「灰色の3ケ所」「青&緑」の線のエリア。
ただ「ストイックに廻るだけ」では寂しいな です、観光系ですから。
考える事3分 そうだ!ピコーンで、ムーミン展をやっている
今治タオル美術館に足を伸ばす事にしました(下図の「T」の所)。
ところがコレが意外と遠い… 上陸ポイントから片道20km足らず。
13日(土)20.4km
連休前で忙しかったものの サクサク仕事が進み、13時に店を出発。
今回は折古浜から出港、14:30準備完了&出発
→弓削島東岸→佐島東岸と進み、時間に余裕が出来たので10分休憩
→津波島→伯方島の東岸→南岸を進む:ほぼ西流のみで楽ちん
17:50沖浦ビーチ着&設営(日没18:19)。
この日のルート選択は 最短距離を取る事ではなく、
初漕ぎエリア(灰色の部分)での漕ぎが目的です。
たまたま舟出しの際は満潮からの下げ初めだったのですが
何回かコノ浜には来たものの、こんなに満ちていたのは初めてで
いや 若干ビビリました、尚 右の写真は帰着時のモノで
干潮から上げ始めて1時間後になります、さすが瀬戸内の干満差です。
この海域は近場の割には、他の島へ連絡させるプランが立て難くて、
ずーっと塩漬けだったのですが、今回やっと訪れる事が出来ました。
これは僕の好みの問題ですよ と御断りを入れた上での感想ですが、
弓削島の東岸は あまり楽しく漕げる場所ではなかったです。
高見島と同じく岩も砂も、鉄分を多く含んでいるらしくスス黒い色合いで
なんだか陰鬱な気分の漕ぎになってしまうんですね。
これが隣の佐島になると白砂に変わるんだから…不思議なモノです。
その佐島の長磯って所の浜(2つ目の■)で 小休止してから、
以前バラキさんとキャンプした津波島の浜を横目に 伯方港を掠め
多くの旅ブログで「いー場所よー」と語られている沖浦ビーチに到着です。
キャンプ地については、津波島にするかコチラにするか迷ったのですが、
今回は長丁場なので、ベースキャンプを作る手法を取りたかったんです。
となると自分の取る航路の、丁度交差点になる沖浦が最適かな と。
で、沖浦ビーチなのですが、オフ時期なので売店等はCloseでしたが
WCや水道は生きていて、大助かり!
水浴びに携行した飲料水を使わずに済むのは心理的にホッとします。
またでっかい東屋があって居心地も上々、素敵な場所です。
今回は今治でタオルを土産に大量購入するかも なので、
ラゲッジに余裕を持たすべく買ったばかりのテント mini200はお留守番、
BUNDOKソロを持って行きました、まだそんなには寒くもないですしね。
梅酒で簡単な食事を済ませ、秋の夜長をレレ三昧で過ごす積りでしたが
疲れてたのか早々に撃沈、9時過ぎには気絶してしまったようです…
で 夜中にテントの外でガサゴソ物音がして目が覚めます。
「狸?」と思って耳をそばだてていると、新手のキャンパーのようです、
時計を見てみると… オイオイ12時過ぎでっせ!夜釣りもコミかなあ?
人気の無い場所なので彼らの声は響いていましたが それなりに
声を潜めようとはしていてくれたので、文句は言えませんわなあ。
明朝は5時起きなので耳栓をして遮音!アルコールの力も手伝ってか
次に気付いたのは 目覚ましの音でした。
なお写真は左から「折古浜から見た弓削島東岸への岬」
「津波島と強風時退避した社」「沖浦の東屋」「東屋から7時の海」
14日(日)前半19km後半17.6km 加算4.5km 計41.1km
「今治での行動時間の確保の為、出来るだけ早い時間に到着したい」でも
「闇中に船折瀬戸を漕ぐのは真っ平!(尾道花火で怖かった)」なので
起床時間は日の出から逆算すると5:15ですが、余裕を持って5時起きに。
パンとコーヒーの朝食を済ませると 日の出は5:50の筈なのに、
夜明け前にも関わらず明るい!こりゃエエと5:30に沖浦から出発します。
14日の行動は3段構えのプランで
①沖浦→糸山(青)
②糸山←→タオル美術館往復(赤点線)
③糸山→沖浦(緑)の予定、ギッチギチに盛り込んでます。
なお沖浦をベースキャンプにして行動した為、
テントは張りっぱ 装備も最小限の携行で済ませましたから 身軽で快適です。
なお ①のルートは沖浦から西へ→鵜島北岸を船折瀬戸を通過
→見近島南岸を掠め大島北岸を西行→大島西岸を南下
→津島で馬島方面に斜行→馬島北岸を掠め糸山へ としました。
さて難所の船折瀬戸です、差し掛かったのは まさに最激流時の5時台です。
この日は中潮でせいぜい1.6km/h程度の流れなので問題なしかなー と
思ってた僕がバカでした、エゲつなかったです。
この瀬戸に差し掛かって前方を見ると、丁度漁船が1艘。
コッチに舳が向いているから 避けましょうかと思ったら、えらく漁師さん
右に左に船外機を切り返しています、おーいどっちに行くの?と思ってたら
船もドリフトみたいな動きを繰り返しているし…んっ?と見てみると、
あら 落差50cm以上の渦が 一つ二つ345 うっ数えてる場合じゃない!
早く気付けたので最激部には突っ込まずに済みましたが、危なかったです。
そしてここ、渦もさる事ながら結構ヤバ目な場所に岩礁があるんですよね、
まあ渦で船が折れる事は無いでしょうが、あの勢いで岩礁にぶつかったら
これは確実に壊れるでしょうから「船折」の名は伊達じゃないです。
来島海峡も、鼻栗瀬戸も、能島近辺の宮窪瀬戸も、
皆キツかったですし スリリングでしたが「また行きたいなあ」でした。
でもコチラは正直「もう…次はエエわ…」です、
そんなで写真を撮る余裕は残念ながら無かったです。
写真は舟折瀬戸を出て、エディで一服付いた時のモノです、
左から「能島」「見近島」それと舟折瀬戸に入る手前の景色です。
ここから大島北岸までは北流なので楽々でしたが、
北東角では鼻栗瀬戸からの潮の影響でしょうか、暫く逆潮となります。
その後また西に流れ出し北岸を漕行中は、またまた楽々潮でしたが
大島の北西角からの南下はモロ逆潮、しかも急流で名高い来島海峡…。
このエッジに差し掛かったのが丁度7時で転流まで約80分あり、
ここからサンライズ糸山までは11km、かなりしんどいかも…と
覚悟を決めましたが、反対流が結構イイ仕事をしてくれーの、
最難関の津島以降のエリアに差し掛かった頃には、潮が弱りーので、
キツイはキツイなりに 意外と普通に漕げた上に、
大型船の往来が頻繁な筈の海峡部分で通過待ちをせずに済んだお陰で
結局 上陸時に時計を見れば8時45分、
沖浦を出てから到着まで3時間少々と、概ねプラン通りでした。
さて自転車の事です。
ムーミン谷 いやタオル美術館訪問を思い立ったのが9日(火)でした。
即日レンタサイクルの予約をTELで入れたのですが、
すでに予約はイッパイで無理とのお答えでした、うーん流石3連休。
当日貸し出し枠の分は確保していますが、早い者勝ちです との事。
貸出受付は8時ですが、初っ端から満員御礼は無かろう… と、
思っていたら甘かった!既に写真のような状況でした。
この列に並ぶ事30分、まだ半分も消化できていません、
これじゃあ手続きが終わるのは10時前になりそうです、
逆算してみると 美術館で過ごせる時間はせいぜい1時間、
それも変速機付きが出払っていれば道中もっと時間が掛かるから…
これじゃあダメだと諦めて、時計を見ると9時20分、
この時点で、今回ムーミンに会いに行くのは断念しました 残念!。
ガッカリしながら受付を見ると2人での対応…そりゃ捌けませんよね。
ここは市の施設と聞いてますから、連休中だけでも受付を増やすとか
その手の柔軟な対応は出来ない する気もないって話なのでしょうね、
公務員さんの特性上これは 如何仕方なし でしょう。
写真は「馬島を北から」「受付待ち」「サンライズ糸山からの来島海峡」です。
気を取り直して「自転車が無い時は徒歩で今治市内散策」の
「PLAN-B」に切り替えます、時間は9時45分。
4.5km先の今治港までカヤックで移動後 10時30分に上陸。
実は今治港を越えて南側で揚げる積りだったのですが
港の周辺で急に波が荒く不規則になってきた為、
帰りも長漕ぎしなくちゃだし、わざわざ体力を削る事は無かろうと
無理せず港の北隣り、市営球場のすぐ近くの浜に上陸しました。
さて今治に来て外せないのは今治城の見物と、夕飯の買い出し、
そして今治B級グルメで有名な「重松飯店」の焼豚玉子丼です。
重松飯店さんの開店が11時45分なので待つ間に散策します。
造船の町だからか、市役所の前に巨大なスクリューが飾ってあったり
城自慢なのか、銘菓ポエム本店の建物が 想像の斜め上を行ってたり
名手藤堂高虎の設計だけあって 規模は大きくないものの、
今治城の 石垣の優美さや虎口の厳しさに唸らさせられたりしつつ
7kmほどを1時間少々掛けて ぶーらぶらと ほっつき歩きました。
歩いてて思ったのですが、この街は中々に賑やかにも関わらず
時折吹く風が心地よく爽やかな潮の香を運んでくるんですね。
残念ながら我が福山での潮風は、あまり爽やかとは言えません。
水質の違いなのかなあ、激流と分水嶺の違いなのかなあ。
おそらくこの町出身の人は、ふっと海風に吹かれた時に
故郷を思うんじゃないでしょうか なーんて柄にもなく俺って詩人。
そうこうする内に、丁度良い時間になってきたので件の店に戻ると…
あら10人ほどが店外で待ってます。
外に吊るしてある予約ノートに名前を書くと、間もなく呼ばれました。
えーっ他の人すっ飛ばして?
どうもボッチが幸いしたようで カウンター席の隙間に入れて貰えました
先に並んでいた皆さんゴメンなさい。
とは言え人気店、座ってオーダーしてから30分ほどは待ちました、
いやー当初の予定通り、ムーミン谷の帰りに寄っていたら
時間ガーでやきもきしていたかも知れません、塞翁が馬ですなあ。
徒然に隣の男性と話すと、神奈川からバスを乗り継いで来たとの事で
ホントはチャリで、しまなみ海道を渡る積りが借りれなかったので
急遽予定を変更して道後に行くとのこと、
やあやあ貴方も振られましたか僕もです と話している内に
「お待たせしましたー」とお目当てのソレが来ました。
長すぎると怒られたので 続きは次回