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広島・岡山 での シーカヤック & その他 を記録します。
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プロフィール
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けいた
性別:
男性
職業:
職人
趣味:
カヤック ウクレレ ピアニカ 漢方
自己紹介:
後期中年の自営業
3シーズンは 海にキャンプへ、
冬は おうちで漢方の勉強、
そんな日々を過ごしています。
今の愛艇は ノーライト シオン。
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前回ブログの記事「フルメッシュテントでも氷点下は凌げるか?」について
12月13日の深夜から14日未明にかけて行いました実験の結果、
寒がりの僕が0℃前後での環境下でテント泊をするに際して、
手持ちのアイテムのみでは僕のカヤックでの携行可能量では不可ですが、
装備をスクーターで携行できるボリュームにまで上げれば
凌ぎ切れる事が証明出来ました。
しかしフルメッシュのテントを使う事で
「実験を中断こそせずに済んだが、耐寒性の足を引っ張ったのでは?」
「つまりメッシュエリアが狭いテントなら、楽勝だったのでは?」との
モヤモヤが自分的には残りました。
なので「フルメッシュテントが夏を過ごし易い」のは何故なのか?の
考察を通して、シロクロ付けたいと思います byゼブラーマン。

その風通しの良さから、フルメッシュテントのイメージと言えば
「夏を中心とした3シーズン用」が濃厚ですが、その理由はと言えば
まず1つは、体表からの放射熱で熱せられた空気の層を流し去る事 と、
もう1つは、飽和水蒸気圧近くに達した 体にまとわり付いた
空気の層を払い、気化熱が奪われ易い状態を作る事 です。

ここで夏にフライを閉めきって密閉空間としたテントの中を想像します。
したがって たとえインナーテントがフルメッシュであっても、
その風通し能力は当然に、キャンセルされてしまっているものとします。
体温=熱源により、室温以上に暖められ軽くなった空気は テント上部に登り
替りに比較的温度が低く重い空気が降りて来る事で「対流」が発生します。
やがて熱源が有るテント下部と テント上部との温度差が小さくなると、
対流の速度は鈍くなり、更に時間が経つと、
人体周辺に淀んだ空気の飽和水蒸気圧が、限界値近くにまで達します。
そうなると汗の蒸散速度も鈍り、気化熱を十分に奪えなくなる為、
体表面の温度は上昇します。
つまり体感的には「暑い空気が体にまとわり付き」はじめた後、
やがて「汗ばんだ肌に下着が へばり付き、ますます熱くなる」訳です、
そしてこのまま鬱熱状態が続くと、所謂「熱中症」の出来上がりですね。

ここで「堪らんっ!」と、入口なり ベンチレーターなりを全開にすると、
大概のインナーテントは天頂部にメッシュエリアを配置していますから
軽くなった熱せられた空気は、インナー天頂部→フライの天頂部→
OUT側ベンチと経由し、外部に逃げてゆきます。
そうするとテント内には陰圧が発生し、フライの裾や 開口部から
冷たい外気が流れ込みテント内の気温を下げると同時に、
体周辺で淀んでいた、水蒸気で飽和状態近くにまでなっていた空気も
トコロ天式にテントの天頂部に移動する事になり、
皮膚表面の汗が蒸発し易くなる事でガッつり気化熱を奪える様になります。
こうして 熱の移動と 気化により、体温が下げられ 快適度が上がります。
この時 一部分だけがメッシュで、そこからしか外気が出入りできない
ファブリックの面積が多いインナーテントと、
全方位から風が進入し、満遍なくフレッシュエアが体を包む
フルメッシュのソレとで、熱と湿気の除去について比較した場合、
有利な方は、言うまでも無く後者になる訳です。

そしてこの考察から「夏季の空気循環」だけに着目すると 理屈では、
フライの裾とインナー壁面との間に隙間さえ充分にあれば、
IN側ベンチレーターは無くても(現に無いモノも有る)良い筈です。
ただしその場合は、外気導入口から OUT側ベンチレーターに抜ける
空気の通り道が直線的なるような形にシビアに設計する必要が、
IN側ベンチが有る機種以上に生まれてくるのでしょうけど。
ところで これまで僕はベンチレーターの立ち位置を 何となく思い込みで
エアコン的なモノとして捉えていましたが コレは間違いですね、
言うならば「団扇」か「開け放った窓」なんですよね。
だから気温について言うならば、基本的には外気温が33℃なら
フルメッシュのインナーで、フライのベンチが全開になっていたトコロで、
テント内の気温は33℃以下に下がる筈はありません。
ただし皮膚温は奪われた気化熱量によって、気温以下にまで下がり得ます。
真夏に綿のシャツを着ていて、大汗をかくほど暑い筈なのに、
シャツが吸った汗で腹が冷えて下痢をした なんて話はよく耳にする所です。

ここまでをまとめると、メッシュ面積が大きい程「より」涼しくなる理由は、
テント内で「より」空気が動く事で、体に纏わり付いた
「熱せられた空気」「水蒸気が飽和状態に近くなった空気」が散らされて、
空気の対流と、気化熱の発生により、皮膚温が下がるからです。

ここまでは夏の話です、次に冬の話に移ります。
暖かく快適に過ごす為には、つまり逆の段取りにすればいい訳ですね、
まず 体温を逃がさないように、言い換えれば熱が籠るようにする。
そしてテント外の冷たい外気の侵入を可能な限り抑えるようにして、
つまり夏の「締め切ったフライの中のインナーテント」状態を作れれば、
フルメッシュテントであっても寒くなく過ごす事ができる訳です。
確かにファブリックのインナーテントなら インナーとフライの間に
1層多く空気の層が有る訳ですから、インナーテント内の温度は、
その層が存在しないと言って良い「擬似シングルウォール」的な状況の、
フルメッシュのテントに比べて 下がり難い事は間違い有りません。
しかし熱放散と、空気循環について工夫をする事で、
フルメッシュのテントであっても ファブリックのテントと遜色なく
厳冬期に使う事が可能だと言えると考えています。
その工夫について「考察編 後段」で述べていきたいと思います。
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初めまして
ネットサーフしていたらたまたまこの記事を見付けまして。
内容を読んだところ、もしかして僕のHPの考察をお読み下さったのかな?と思い、一筆書き込ませて頂きました。
実際の体験による確認考察、素晴らしいですね!
今後の検証考察も期待しております。
懐園 URL 2015/03/01(Sun)23:26:16 編集


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