明けましておめでとうございます 遅筆なもので年を跨いでしまいました、
夜半に雪が降ったようで 凝固熱のお陰でか あまり寒くは無いのですが
白い正月になりました。
今年受験の娘キノコの達ての要望で ケチケチの我が家にしては珍しく
福山の街中の名店「ビストロ ガリュー」さんに お節をお願いしました、
併せて朝から開けた コンチャイトロのディアブロでベロンベロンです。
おそらくこの先 もうこんな贅沢はしないでしょうから、記念に うぷ。
愛犬&一ノ重 二ノ重 三ノ重
で、続きです 最後に結露の問題に触れたいと思います。
結露とは、呼気中の水蒸気の温度が それ以下の温度の物、
例えばウォール、フライ、テント内の備品等に触れる事で下がり、
その結果 露点が下がる事で凝固する現象ですね。
そして気温が下がる程、空気の単位体積あたりの飽和水蒸気量が減る、
つまり相対湿度が上がりますから、結露しやすくなります。
「肌寒い朝のウォール内面が水滴だらけ」は よく見る光景ですよね。
結露は 短期的には前ブログで触れた 雨漏りや地面からの湿気以上に
装備を濡らし結果として体温、体力を奪いますし、
長期的にはカビや 微生物等の繁殖を助長してテントの寿命を縮めます。
人が生きて呼吸している以上 発生を無くす事は難しいですが
疲労回復を妨げる障害となりますし、何らかの工夫で対処したい問題です。
基本的に 呼気の温度は室温や外気温より高い(除:真夏の日中)ので、
暖かく 軽く そして湿り気を帯びた呼気はテント天頂部に滞留し
そこで結露する事が多い訳ですから 対策の基本は以下の2つとなります
「テント内外の温度差を減らす」「湿った暖かい空気をテント外に排出する」。
但しその方法は 室温維持を考えると、一年中同じと言う訳には行きません、
寒い時期と、それ以外の時期では 違う考え方が必要になってきます。
夏のジメジメ対策なら単純に「テント内に風を通して…」でOKですが、
冬にそんな事したら、間違いなく体調を崩してしまいますからね。
さて「室内の空気の循環」には 外気導入&内気排出の両方の開口部が必要と
前ブログでも触れましたが、結露対策には その「位置」と「大きさ」も重要です。
特に フライの頂上に 排気用として1つだけベンチが開口しているタイプは
フライの裾を吸気口にする設計ですから、上手く外気を導いて昇らせないと、
ほとんど室内の空気は流れてくれない=結露が酷い事になる様です(図A)。
またいくらフライに「IN-OUT」の2つのベンチが開口していても
導入された外気が直線的に流れない配置だと 流速が落ちますから、
滞留時間が長くなる=湿った空気が冷える=飽和水分量が低下する点から
結露する可能性が高くなります(図B)。
更に言うと同じ直線的な配置でも、登り窯の様に INよりもOUT側を高くして
湿った暖かい空気がスムースに上昇して外部に抜けられる形になってないと
やはり滞留時間が長くなり、結露について不利になるようです(図C)。
また これらが上手に設計されたテントであっても設営の仕方が悪いと
その能力を十分には発揮できません。
例えば ベントが開いていない(そらアカンやろ… です)、
幕体の張りが甘く、垂れている(空気の流れがスムーズでなくなる)、
フライとインナーが密着している(外の冷気を遮る空気の層が不足)、
風向きの読みが甘い (通常は開口部を風下に向ける設計) 等ですね。
次に まず暖かい気候の際の結露対策です。
これは雨天時等、絶対的な水蒸気量が増えている時の話ですね、
呼気程度のお湿りは無視できる状態と言って良いでしょう。
さてこの時期の暑さ対策の空調は前ブログで書いた通り 、
冷たい外気を大量に導入できればソレでOKですから
最も低い位置 つまりフライの裾から取り込むのが早いのですが、
これは地面が DRYコンディションにある場合の話です。
地面が濡れている状態だと、同時に地熱で蒸発した大量の湿気まで
テント内に侵入してしまい、悪くすると露浸し状態になってしまいます。
ベンチレーターが2つ以上有る事が前提ですが 対策としては、
「より下方」にある開口部が外気導入口として働く様に考えて設営する、
つまり通常なら「入口の反対側」を風上にしますが それには拘らず
IN側として使いたいベンチが開口している面を風上に持って来る訳ですね。
尚 この際の開口位置の理想は、地上2~30cm辺りって所でしょう、
高過ぎるとテント下部の空気の循環を産むことが出来ず暑いですし、
低すぎると湿気を拾ってしまうのが その理由です。
最後に寒い時期の結露対策です。
暖かい季節との違いは、テント内全体に対流を起こしたく無い事です、
でないと自分の周りに留めておきたい暖かな空気の層が、
どんどん引き剥がされてしまい、悪くすると寒くて寝れない事になります。
なので話としては、テント天頂部に滞留している 湿った空気のみを
しかも必要最低限の量だけを排出する と、いきたい訳です。
その話だと IN側ベンチがフライの「裾」だったり「下部での開口」では駄目で
「上部の中位置」辺りに設置されているのが丁度良い訳です。
そしてOUT側ベンチは「上部の上位置」に開口させ 登り窯のような形で
湿った暖かい空気「のみ」が緩やかに排出される形が望ましい訳です。
まとめれば ファブリックの幕体のテントと比べると フルメッシュのテントは
空気の流通が良好 って言うか ダダモレですから、
フライの下方向にダクトが有ればソレをしっかり閉める事と、
フライの裾を出来るだけ引き下げて隙間風が入りにくい様にする事で、
テントの内外では空気の対流が起こさないようにした上で、
結露防止にテント天頂部付近でのみ 外気との交通が生まれるように
出来さえすれば、理論上は厳冬期でも使用可能だと考えられる訳です。
ただファブリックのテントと比べて不利なのは「ダダモレ」つまり、
フライとインナーの間に隔離された空気の層を確保できない点で、
ココについては シングルウォールよりも重くて嵩張るのに、
シングルウォールと 同程度の性能しか無い マイナス点と言えるでしょうね。
とは言え、僕的には そこまで嵩と重さに拘らない使用方法なので、
「直接に結露した水滴が装備に掛からない水避けになる」点と
「夏に蚊帳的な使い方」が出来る点で、シングルウォールのテントや
ファブリックインナーと比べて最もバランスが取れたアイテムと思うのですが…
どうですかっお客さんっ byアントン 。
しかしコノ手の「理屈をまとめる」って日記は、裏を取ったり 、
思い込みが無いかをチェックしたりに、時間が掛かりますなあ…
下書き自体は10日程前には出来てたんですが。
まあ尤も、その類の確認作業をしなかったら僕程度の知識では
嘘八百だらけの記事に なってしまうからしょうがないんですけどね。