今回の長漕ぎは連休中日の7月20日に「10時間耐久」と銘打って行いました。
このクソ暑い時期にそんな事するのは年齢からしてどうなの?ですが、
連休&日照時間の長さから考えて、この時期しか無いんですね。
前回の長漕ぎの後、翌日ヘロヘロで仕事にならなかった事に懲りたので「連休」、
夕方になると気が焦ってペースが乱れるから「日が長い時期」のプランです。
では決して生産的とは言えない「こんな事」を何故するのか?ですが
それは「60km漕げるかもしれない僕」と「60km漕ぎきった俺」とでは
「何か違う ものの見え方が生まれてくるかも知んないよね」だからです。
漕ぎ終えた今、実際のトコロは「いや~ 別に何も変わらんですわあ」なんですけどね。
でもソレを言えるのも、ソレをやったからですわって事で。
まあ「後期中年よ 書を捨て海に出よう」ですよ。
さて最近は しまなみ海道の南方面の地図を塗りつぶしてきたのですが、
今回は北方面で、まだ行った事の無い海域への訪問を中心に
大久野島を西限としてプランを組んでみました。
ただ漕いで終わるのも芸がないので、いくつかアドオンも組込みました。
1)大三島の東岸に浮かぶ「古城島」。ここは立地的に泊地として魅力的です。
ここのキャンプ地としての可否をスカウトします。
2)その昔NHKで「ひょっこりひょうたん島」と言う人形劇が放映されていました。
そのモデルとされたって説のある、独特の形をした島、その名も「瓢箪島」。
無人島らしいのですが上陸できるそうなので、その辺りのスカウトも行います。
3)また以前から西の日光と呼ばれる耕三寺にも行きたく思っていました。
後日参拝する際に揚陸する場所のスカウトも、この際やっておこうって腹です。
4)さらに瀬戸田ドルチェの本店に 時間的&物理的に、行けるなら行きたいな と。
今回は行動中の多くの時間が、30度を超える気温であろう
非常に厳しい季節での長距離&長時間漕ぎですから、
少しでも気温の低い時間帯に距離を稼ごうと、極早朝からの行動です。
…ホントは半分ウソです、それも有りますが、これは建前です。
実は はっさく屋さんの閉店時間に1時間の余裕をもって到着する事
ソレを前提にプランを組んだら、この時間に出艇しないと間に合わないんですね。
ちなみに前回の轍を踏まないように「はっさく大福 20個、菊蜜柑餅5個」と
前日の土曜日に予め、電話予約も抜かり無く済ましておきました。
ルート図
詳しくプランを書くと
・03時起床、03:30に自宅を出発、04:30に立花の浜に到着
・05:00に出発、 因島を時計回りに進み土生で生口島北岸に進む
(2時間後 7:00着)→休憩15分 13.2km/13.2km
・07:15に出発、生名&岩城島の北岸→生口島の南岸を抜け
古城島西岸に進み スカウト
(2時間後 9:15着)→休憩15分 11.9km/25.1km
・09:30に出発、大三島の東岸から、瓢箪島をスカウト後、
再度 大三島の北岸に向かった後、
大久野島東岸を北上し、北岸に進む
(2時間後 11:30着、この頃に転流)→休憩30分 12.0km/37.1km
・12:00に出発、高根&生口島間の瀬戸を北上し、瀬戸田港をスカウト
(1.5時間後 13:30着)→休憩15分 9.1km/46.2km
・13:45に 出発、生口島北岸を進み、ドルチェ揚陸ポイントスカウト、
佐木&因島間の瀬戸を北上し、 因島北岸を進み、
はっさく屋さんに到着
(2時間15分後 16:00着 → ドルチェに揚れれば 16:15着)
12.7km/58.9km
・16:30(45)に出発、立花に戻り、撤収 1.1km/60.0km
上記の通り 丁度60km、出発から撤収まで 約12時間のプランだった訳です。
これを「60kmを漕ぐんだ」と捉えると、焦ってペースが乱れそうですので
あくまでも「12km=2時間の距離を、5本漕ぐんだ」と捉えました。
そうすれば前半飛ばしちゃって、後半バテるってな不細工な事は防げるかと。
それと毎回ツアーの後の小便がまっ黄色になっちゃってるものですから、
絶対的な摂取水分量不足なんだろうと推測しました、勿論これはNGです。
そんな事してちゃ腎臓がブッ壊れるか、石が出来ちゃいますから。
その対策に「喉が渇いてなくても必ず30分に1回水を飲む」
そして「汗ばんできたら、さらに頻度を上げる」事で対応する事にします。
さて当日のアクチャルの報告です。
夜明けは05:08なので自宅を出る時は勿論、現場についても 思いっきり
「ヨールー by谷岡ヤスジ」で、うわーこんな中出すのやだなーでした。
とは言え ここでグズグズしていて、後でスケジュールが押してくるのも怖いので
えいやあ で黒い海の中に黒いシオンで漕ぎ出しました。
実際に闇の中を漕いだのは時間にして10分も無かったのですが、
「独り+夜の海+これまで漕いだ事が無い距離」ってトリオだったからか
こんなの何時ぶりだろうか?って位に心細かった事を白状します。
暗いぞ
さて出だし因島の北岸を漕いでいる間は 若干逆潮気味だった為、
小潮とは言っても少々パドルが重く、6km/h程度しか出ませんでした。
ところが先週出港した折古浜の沖辺りから急に船足が速くなります、
本格的に潮目が変わったのでしょうね。
折古沖
さて今回は軍艦の横をすり抜け因島水道に入るルート設定です。
今回は先週も鎮座していた「とわだ」に加えて「くろべ」って艦が
新たに停泊していました、山国育ちの私は何となく見惚れちゃいます。
さて因島水道を抜けるのは初めてなのですが、尾道水道と言いこちらと言い、
この手の「人の営み」を感じられる風景を僕は決して嫌いじゃないんですね、
機会があれば倉敷の美観地区も漕いでみたいと思っているくらいですから。
それにしても狭い水道です、こりゃあ大潮の時の流れはトンデモないでしょうね。
しかもその海流の出口を塞ぐ形で、折り重なるように島が2つもありますから、
波やボイルも凄いかも知れません、んーっいちど見に来たいものです、ぜひ。
狭いです
そして生名島北岸の浜で1回めの休憩です、
到着時間は6:45、15分プランに勝っています、ここで10分休憩。
まだ元気一杯なので いつもなら休憩せずに先を急ぐのですが
何しろ今回は諸条件が過酷です、丁寧にプランをトレースして行きます。
ところでこの浜、悪くはないのですが、チト殺風景な感じの浜でした。
ココよりも、少し先の「サウンド波間田」前の浜を利用するべきでした、失敗。
続いての 生口島南岸も初めて訪れる「知らない海」でした。
この島を背に、岩城&伯方の両島を望む景色は、瀬戸内らしい情緒に富んで
中々漕ぎ味の良いモノでした、また訪れたくなる場所です。
またコスタルに進んでいる限りは 基本穏やか一方の海域のようでしたが、
岩城&伯方の両島を北上してくる流れが有るのでしょうね、
これら3島の交差点で急にボイルと方向の一定しない波に襲われました。
小潮だから どーって事なかったのですが、大潮の日だと結構しんどいかも です。
またこの島は「島ごと美術館」と言うコンセプトを持っているらしく
島の周回道路のここあそこにオブジェが設置されているそうで
こちら岸でも1つ確認できました(ホントは2つあるらしい)。
さすが耕三寺や平山郁夫美術館がある「ゲージツの島」だけありますね。
ゲージツ
多々羅大橋が右に見えた辺りで左45度にバウを廻します。
この海域は、前回エライ目に有った鼻栗瀬戸からの流れと
この後向う大久野島方面からの潮流がぶつかるポイントなので
ボイルや、具合の良くない波が立つのかな と、構えて漕ぎ入ったのですが
逆潮で大三島側に流され勝ちなだけで、いっそ穏やかな海域で拍子抜けでした。
ラッキーと呟きつつ30分ほど漕いで、第二の休憩ポイントの 古城島に到着。
この時点で8:40です、予定より35分勝っています、
と言う事は、生名島の南岸でかなり距離を稼げた計算になります。
さてこの島の「古城」の名は約1300年前、白村江での大敗後に天智帝の命で
唐・新羅に対する前線基地として作られた最古の水城跡だって事に由来するそうな。
しかしどこに駐在する為の小屋とか作ったの?って位、細長い島でした。
なお ここは大潮の干潮時には大三島と砂州で陸続きになるそうで、
ひょっとしたら先週訪れていたらその風景が見れたかもですね、
是非気候が良く 干満差も大きい秋の彼岸にでも来てみたいものです。
その繋がる所が小高い浜になっていて、キャンプ地としても良さ気ですしね。
よさげ
10分ほど手足を伸ばして休憩した後、多々羅大橋に向かって漕ぎ出します。
この橋の大三島側にはキャンプ場を始め 整備された施設が有ります、
確か1泊 一張1300円だったかな?コンビニも すぐ側にあるので
女性や、初心者を含むキャンプであるなら良さそうな場所でした。
しかし多少野宿慣れをしている僕独りならば、回りを気にせずに済む分
橋の袂部分にある小高い草地の方が、却って居心地が良い気がしました、
なにより無料ですからね、只より安いモノはない。
ここから瓢箪島の東岸を目指します。
そろそろ9時を回り気温も上がってきたので、給水間隔を20分に短縮します。
気温が上がると同時に風と雲も若干出てきました。
お天気の依田さんが「梅雨も終盤なので雷に注意」と言っていましたが、
幸いそこまでの問題は無さげです。
さて瓢箪島ですが、確かに中々面白い形で冒険心をソソリますが(写真左)、
砂浜が瓢箪の尻の部分のみ しかも結構トゲトゲした砂利混じり(写真右)なので、
あまり艇を揚げる気にならないのが正直なトコロです。
じつはGPSの電池の充電が甘くって、この直前でWarningが出てしまったので
泣く泣く上陸したのですが、ハルがガリゴリ言ってて気分が悪かったです。
更にテントの設営に適当な場所も狭く、周りの海流も不規則で漕ぎにくく、
何より遊覧船が来るって事から考えて、キャンプには不向きかもしれませんね。
そんな事情で、電池交換のために予定外の上陸&休憩を5分ほど取った後、
大三島の北端 鳥取岬を経て、大久野島を目指します。
ここまでは潮目が良いお陰で船足が素晴らしく良好で、
GPSの電池交換の時点で時刻はまだ9時45分、つまりプランに45分勝っています。
ならばと、当初は大久野島東岸を往復する予定でしたが1.5km遠回りして
南岸の前を通り、西岸を北上する、つまり島を1周する形に変更しました。
南岸には海水浴場が有り、海の日だからでしょう 黄色い声も聞こえてきます。
南岸
この島はカヤッカー的に良い雰囲気の島で、観光用に整備されている割には
砂浜をそのまま残しておいてくれている為、上陸ポイントが幾つも有ります。
ここに限りませんが、この竹原の辺りの島々は隣の小久野島にせよ阿波島にせよ
カヤッカーに優しい無人島が多くて魅力的な海域です(波は少し不規則ですが)。
さて同島北岸には11時前に到着、遠回りしても まだ30分以上余裕があります。
ココの浜で昼食にしようかと地図に有った海水浴場を探しますが…ない、
いや立派な浜はあるのですが 海水浴客が居ない、Why ? と出川哲朗状態です。
「???」って感じで浜を上がると、何だか工事中みたいな様相。
why?
少し先にフェンスが張ってあるので、ランチボックスをぶら下げて見に行くと
何やら掲示板が張ってあります、でも裏側だから読めない、って事は…
俺がフェンスの中かいな!でした。
よじ登って外に出て見てみると、そこは島の外周を巡るサイクリングロード、
その掲示板いわく「資材置き場につき関係者以外立ち入り禁止」ですって。
あらあらと思いながら、フェンスの前の防波堤に腰掛けてランチです。
しかし兎島状態とは聞いていましたが、いやー恐ろしい位に兎だらけです、
「おまえ、なにくってんだ、おれ、それ、くえるか?」と寄って来ます 可愛い。
現金なもので 食えないとわかると一顧だにせず去っていきますが…。
さて幸いここまでは予定よりずっと早くタイムテーブルを消化できています。
これで道程の6割を消化した事になりますが、まだ体力には余裕がアリアリです。
さて次は 一旦高根島を目指し、生名島の西岸との水道を北上して瀬戸田港に。
元々は30分の休憩を大久野島で取るプランでしたが、尻の座りが悪いって言うか
少なくともこの島の北部エリアでは何故かリラックスできないので
予定の半分の15分で切り上げて、11時10分に出発する事にします。
まあその分、生名島で上陸した際にタップリ休憩して穴埋めをしようって魂胆です。
この時点でプランに50分勝っている事になりますね、いい調子だなあ。
続きます・・・
PR