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広島・岡山 での シーカヤック & その他 を記録します。
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プロフィール
HN:
けいた
性別:
男性
職業:
職人
趣味:
カヤック ウクレレ ピアニカ 漢方
自己紹介:
後期中年の自営業
3シーズンは 海にキャンプへ、
冬は おうちで漢方の勉強、
そんな日々を過ごしています。
今の愛艇は ノーライト シオン。
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今回の長漕ぎは連休中日の7月20日に「10時間耐久」と銘打って行いました。
このクソ暑い時期にそんな事するのは年齢からしてどうなの?ですが、
連休&日照時間の長さから考えて、この時期しか無いんですね。
前回の長漕ぎの後、翌日ヘロヘロで仕事にならなかった事に懲りたので「連休」、
夕方になると気が焦ってペースが乱れるから「日が長い時期」のプランです。
では決して生産的とは言えない「こんな事」を何故するのか?ですが 
それは「60km漕げるかもしれない僕」と「60km漕ぎきった俺」とでは
「何か違う ものの見え方が生まれてくるかも知んないよね」だからです。
漕ぎ終えた今、実際のトコロは「いや~ 別に何も変わらんですわあ」なんですけどね。
でもソレを言えるのも、ソレをやったからですわって事で。
まあ「後期中年よ 書を捨て海に出よう」ですよ。

さて最近は しまなみ海道の南方面の地図を塗りつぶしてきたのですが、
今回は北方面で、まだ行った事の無い海域への訪問を中心に
大久野島を西限としてプランを組んでみました。
ただ漕いで終わるのも芸がないので、いくつかアドオンも組込みました。
1)大三島の東岸に浮かぶ「古城島」。ここは立地的に泊地として魅力的です。
 ここのキャンプ地としての可否をスカウトします。
2)その昔NHKで「ひょっこりひょうたん島」と言う人形劇が放映されていました。
 そのモデルとされたって説のある、独特の形をした島、その名も「瓢箪島」。
 無人島らしいのですが上陸できるそうなので、その辺りのスカウトも行います。
3)また以前から西の日光と呼ばれる耕三寺にも行きたく思っていました。
 後日参拝する際に揚陸する場所のスカウトも、この際やっておこうって腹です。
4)さらに瀬戸田ドルチェの本店に 時間的&物理的に、行けるなら行きたいな と。

今回は行動中の多くの時間が、30度を超える気温であろう
非常に厳しい季節での長距離&長時間漕ぎですから、
少しでも気温の低い時間帯に距離を稼ごうと、極早朝からの行動です。
…ホントは半分ウソです、それも有りますが、これは建前です。
実は はっさく屋さんの閉店時間に1時間の余裕をもって到着する事
ソレを前提にプランを組んだら、この時間に出艇しないと間に合わないんですね。
ちなみに前回の轍を踏まないように「はっさく大福 20個、菊蜜柑餅5個」と
前日の土曜日に予め、電話予約も抜かり無く済ましておきました。
   ルート図

詳しくプランを書くと
・03時起床、03:30に自宅を出発、04:30に立花の浜に到着
・05:00に出発、 因島を時計回りに進み土生で生口島北岸に進む
 (2時間後 7:00着)→休憩15分 13.2km/13.2km 
・07:15に出発、生名&岩城島の北岸→生口島の南岸を抜け
          古城島西岸に進み スカウト
 (2時間後 9:15着)→休憩15分 11.9km/25.1km
・09:30に出発、大三島の東岸から、瓢箪島をスカウト後、
          再度 大三島の北岸に向かった後、
          大久野島東岸を北上し、北岸に進む
 (2時間後 11:30着、この頃に転流)→休憩30分 12.0km/37.1km
・12:00に出発、高根&生口島間の瀬戸を北上し、瀬戸田港をスカウト
 (1.5時間後 13:30着)→休憩15分 9.1km/46.2km
・13:45に 出発、生口島北岸を進み、ドルチェ揚陸ポイントスカウト、
          佐木&因島間の瀬戸を北上し、 因島北岸を進み、 
          はっさく屋さんに到着
 (2時間15分後 16:00着 → ドルチェに揚れれば 16:15着) 
          12.7km/58.9km
・16:30(45)に出発、立花に戻り、撤収 1.1km/60.0km

上記の通り 丁度60km、出発から撤収まで 約12時間のプランだった訳です。
これを「60kmを漕ぐんだ」と捉えると、焦ってペースが乱れそうですので
あくまでも「12km=2時間の距離を、5本漕ぐんだ」と捉えました。
そうすれば前半飛ばしちゃって、後半バテるってな不細工な事は防げるかと。
それと毎回ツアーの後の小便がまっ黄色になっちゃってるものですから、
絶対的な摂取水分量不足なんだろうと推測しました、勿論これはNGです。
そんな事してちゃ腎臓がブッ壊れるか、石が出来ちゃいますから。
その対策に「喉が渇いてなくても必ず30分に1回水を飲む」
そして「汗ばんできたら、さらに頻度を上げる」事で対応する事にします。

さて当日のアクチャルの報告です。

夜明けは05:08なので自宅を出る時は勿論、現場についても 思いっきり
「ヨールー by谷岡ヤスジ」で、うわーこんな中出すのやだなーでした。
とは言え ここでグズグズしていて、後でスケジュールが押してくるのも怖いので
えいやあ で黒い海の中に黒いシオンで漕ぎ出しました。
実際に闇の中を漕いだのは時間にして10分も無かったのですが、
「独り+夜の海+これまで漕いだ事が無い距離」ってトリオだったからか
こんなの何時ぶりだろうか?って位に心細かった事を白状します。
暗いぞ

さて出だし因島の北岸を漕いでいる間は 若干逆潮気味だった為、
小潮とは言っても少々パドルが重く、6km/h程度しか出ませんでした。
ところが先週出港した折古浜の沖辺りから急に船足が速くなります、
本格的に潮目が変わったのでしょうね。
折古沖

さて今回は軍艦の横をすり抜け因島水道に入るルート設定です。
今回は先週も鎮座していた「とわだ」に加えて「くろべ」って艦が
新たに停泊していました、山国育ちの私は何となく見惚れちゃいます。


さて因島水道を抜けるのは初めてなのですが、尾道水道と言いこちらと言い、
この手の「人の営み」を感じられる風景を僕は決して嫌いじゃないんですね、
機会があれば倉敷の美観地区も漕いでみたいと思っているくらいですから。
それにしても狭い水道です、こりゃあ大潮の時の流れはトンデモないでしょうね。
しかもその海流の出口を塞ぐ形で、折り重なるように島が2つもありますから、
波やボイルも凄いかも知れません、んーっいちど見に来たいものです、ぜひ。
狭いです

そして生名島北岸の浜で1回めの休憩です、
到着時間は6:45、15分プランに勝っています、ここで10分休憩。
まだ元気一杯なので いつもなら休憩せずに先を急ぐのですが
何しろ今回は諸条件が過酷です、丁寧にプランをトレースして行きます。
ところでこの浜、悪くはないのですが、チト殺風景な感じの浜でした。
ココよりも、少し先の「サウンド波間田」前の浜を利用するべきでした、失敗。

続いての 生口島南岸も初めて訪れる「知らない海」でした。
この島を背に、岩城&伯方の両島を望む景色は、瀬戸内らしい情緒に富んで
中々漕ぎ味の良いモノでした、また訪れたくなる場所です。
またコスタルに進んでいる限りは 基本穏やか一方の海域のようでしたが、
岩城&伯方の両島を北上してくる流れが有るのでしょうね、
これら3島の交差点で急にボイルと方向の一定しない波に襲われました。
小潮だから どーって事なかったのですが、大潮の日だと結構しんどいかも です。
またこの島は「島ごと美術館」と言うコンセプトを持っているらしく
島の周回道路のここあそこにオブジェが設置されているそうで
こちら岸でも1つ確認できました(ホントは2つあるらしい)。
さすが耕三寺や平山郁夫美術館がある「ゲージツの島」だけありますね。
ゲージツ

多々羅大橋が右に見えた辺りで左45度にバウを廻します。
この海域は、前回エライ目に有った鼻栗瀬戸からの流れと
この後向う大久野島方面からの潮流がぶつかるポイントなので
ボイルや、具合の良くない波が立つのかな と、構えて漕ぎ入ったのですが
逆潮で大三島側に流され勝ちなだけで、いっそ穏やかな海域で拍子抜けでした。
ラッキーと呟きつつ30分ほど漕いで、第二の休憩ポイントの 古城島に到着。
この時点で8:40です、予定より35分勝っています、
と言う事は、生名島の南岸でかなり距離を稼げた計算になります。
さてこの島の「古城」の名は約1300年前、白村江での大敗後に天智帝の命で
唐・新羅に対する前線基地として作られた最古の水城跡だって事に由来するそうな。
しかしどこに駐在する為の小屋とか作ったの?って位、細長い島でした。
なお ここは大潮の干潮時には大三島と砂州で陸続きになるそうで、
ひょっとしたら先週訪れていたらその風景が見れたかもですね、
是非気候が良く 干満差も大きい秋の彼岸にでも来てみたいものです。
その繋がる所が小高い浜になっていて、キャンプ地としても良さ気ですしね。
よさげ

10分ほど手足を伸ばして休憩した後、多々羅大橋に向かって漕ぎ出します。
この橋の大三島側にはキャンプ場を始め 整備された施設が有ります、
確か1泊 一張1300円だったかな?コンビニも すぐ側にあるので
女性や、初心者を含むキャンプであるなら良さそうな場所でした。
しかし多少野宿慣れをしている僕独りならば、回りを気にせずに済む分
橋の袂部分にある小高い草地の方が、却って居心地が良い気がしました、
なにより無料ですからね、只より安いモノはない。

ここから瓢箪島の東岸を目指します。
そろそろ9時を回り気温も上がってきたので、給水間隔を20分に短縮します。
気温が上がると同時に風と雲も若干出てきました。
お天気の依田さんが「梅雨も終盤なので雷に注意」と言っていましたが、
幸いそこまでの問題は無さげです。
さて瓢箪島ですが、確かに中々面白い形で冒険心をソソリますが(写真左)、
砂浜が瓢箪の尻の部分のみ しかも結構トゲトゲした砂利混じり(写真右)なので、
あまり艇を揚げる気にならないのが正直なトコロです。
じつはGPSの電池の充電が甘くって、この直前でWarningが出てしまったので
泣く泣く上陸したのですが、ハルがガリゴリ言ってて気分が悪かったです。
更にテントの設営に適当な場所も狭く、周りの海流も不規則で漕ぎにくく、
何より遊覧船が来るって事から考えて、キャンプには不向きかもしれませんね。
そんな事情で、電池交換のために予定外の上陸&休憩を5分ほど取った後、
大三島の北端 鳥取岬を経て、大久野島を目指します。
 

ここまでは潮目が良いお陰で船足が素晴らしく良好で、
GPSの電池交換の時点で時刻はまだ9時45分、つまりプランに45分勝っています。
ならばと、当初は大久野島東岸を往復する予定でしたが1.5km遠回りして
南岸の前を通り、西岸を北上する、つまり島を1周する形に変更しました。
南岸には海水浴場が有り、海の日だからでしょう 黄色い声も聞こえてきます。
南岸

この島はカヤッカー的に良い雰囲気の島で、観光用に整備されている割には
砂浜をそのまま残しておいてくれている為、上陸ポイントが幾つも有ります。
ここに限りませんが、この竹原の辺りの島々は隣の小久野島にせよ阿波島にせよ
カヤッカーに優しい無人島が多くて魅力的な海域です(波は少し不規則ですが)。
さて同島北岸には11時前に到着、遠回りしても まだ30分以上余裕があります。
ココの浜で昼食にしようかと地図に有った海水浴場を探しますが…ない、
いや立派な浜はあるのですが 海水浴客が居ない、Why ? と出川哲朗状態です。
「???」って感じで浜を上がると、何だか工事中みたいな様相。
why?

少し先にフェンスが張ってあるので、ランチボックスをぶら下げて見に行くと
何やら掲示板が張ってあります、でも裏側だから読めない、って事は…
俺がフェンスの中かいな!でした。
よじ登って外に出て見てみると、そこは島の外周を巡るサイクリングロード、
その掲示板いわく「資材置き場につき関係者以外立ち入り禁止」ですって。
あらあらと思いながら、フェンスの前の防波堤に腰掛けてランチです。
しかし兎島状態とは聞いていましたが、いやー恐ろしい位に兎だらけです、
「おまえ、なにくってんだ、おれ、それ、くえるか?」と寄って来ます 可愛い。
現金なもので 食えないとわかると一顧だにせず去っていきますが…。


さて幸いここまでは予定よりずっと早くタイムテーブルを消化できています。
これで道程の6割を消化した事になりますが、まだ体力には余裕がアリアリです。
さて次は 一旦高根島を目指し、生名島の西岸との水道を北上して瀬戸田港に。
元々は30分の休憩を大久野島で取るプランでしたが、尻の座りが悪いって言うか
少なくともこの島の北部エリアでは何故かリラックスできないので
予定の半分の15分で切り上げて、11時10分に出発する事にします。
まあその分、生名島で上陸した際にタップリ休憩して穴埋めをしようって魂胆です。
この時点でプランに50分勝っている事になりますね、いい調子だなあ。

続きます・・・
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波音が響けば 雨雲が近づく by 研なおこ …日曜日の雨音で目が覚めました。
時計は5時30分、散歩に連れて行くべきワンコがいなくても
やっぱりいつもの時間に目が覚めてしまうようです、体内時計スゲー。
そうこう言う間にも雨は、小止みと篠突く様な降りを繰り返しています、
フライのジッパーを下ろして外を伺ってみると、辺りは 水浸しです。

 
とは言え、雨でも何でもヤルことはやらなくちゃ です、と言うのも
他の方のブログや 潮位表から推すに、8時には浜が消えそうなんです。
肌寒いので 湯を沸かし、暖かいコーヒーとパンの簡単な朝食。
雨のせいで若干 作業が遅くなってしまう事に焦りつつ荷物を纏めます。
大きな東屋が施設の中に有るので、纏まった荷物を移してから
テントを組んであるまま運び、屋根の下で簡単に拭きあげーの、
分解&収納しーので、全荷物がパッキング可能になったのが7時過ぎ。
さあ出るぞ と浜にカヤックを降ろしに行くと、潮の満ちが思ったより早く
すでに浜の幅が1M無い位まで狭くなってしまっています。
バラキさんはと見れば、僕と違い博物館には行かない腹だからでしょうか
結構のんびり構えてられます、ひょっとしたら潮位の事を失念してるかも。
「浜の水位、結構きてますよ~」と声がけをしてからカヤックにパッキング。
僕はこれがいつもドン臭いんですよね、20分位掛かるんです。
特に荷室への浸水防止のビニールパッキンの取り付けに時間がかかります、
でも ちょっとした皺が出来ちゃうだけで海水の侵入を許しちゃいますから、
焦っても やっつけ仕事は禁物なんですよね(手痛い授業料を数回払い済み)。
7時30分になって支度が整った頃には、雨脚も若干弱まってきました。
バラキさんも浜に降りて支度を始められたので、挨拶をして出港です。

能島までは流れとボイルは多少有るものの、まあフラットな水面です、
追い潮のおかげで1.5kmを10分足らずで島の北面の、
船着場だったと言われている砂浜(下図黒い四角)に到着しました。

下の左の写真の右端辺りに 三ノ丸(上の図 青丸)への登り口が有り、
右の写真はその道中から浜を写したものです。
前回の大島では大潮の潮位を舐めていた為、艇を流してしまう寸前でしたから、
轍を踏まないように、汀から可能な限り遠くに離しておきました(重かった~)。
 

そして三ノ丸跡から写した島西岸の激流部(上図青矢印方向)です。
このように流れが速いだけでなく エディーによる渦や、ボイルが消えては現れ
めまぐるしく様相が変化します。
 

次に本丸跡(上の図 緑丸)まで上がります、当然ですが眺望の効く所ですから
出丸になっていたと言われる鯛崎島から、向かい岸の宮窪まで一望できます。
(上図緑矢印方向)

夏草の草いきれを嗅ぎながら、さらに進んで見張り櫓跡(上図赤丸)まで行くと
ソコからは最激流部の島東岸の様子(上図赤矢印方向)が見えます。
海底がフラットだからか木曽川の桃太郎公園の手前の瀬のような
派手な波や 豪快な瀬音こそ立っていませんが、遠目でも解る流速です。
例えるなら「台風の後の保津川」のノリですね、さあどっち岸を下ろうか です。


約1分に渡る熟慮の結果 東岸を下る事にしました。
やっぱりここまで来たら、冒険しなくっちゃダメでしょう。
でも冒険心と、無謀な浅慮は似て非なるモノでしょうから
以下のように考察したわけです…
「両端は どうも岩があるようでウェーブやボイル、エディなど
 楽しげで 恐ろしげなモノがあるけど、激流の上流部から侵入して、
 ド真ん中を漕ぎ進めば、トラブルフリーっぽく見える。」
「そのまま流されると東方向に流されてしまい、村上水軍博物館のある
 宮窪に行けなくなりそうだから、エディの境界がボヤケている辺り
 =鯛崎島との中間地点でエディインした後、宮窪方面に」って方針で です。

結果は 半分正解、半分失敗でした。
まず本流は 流れこそ速かったものの、やっぱり 増水時の保津川程度でした。
「なーんだ 本流、大したこと無いや」と気軽に入った エディ、これが問題でした。
中々とんでもない代物で、まー振り回される事ったら すごいすごい。
どうも正解は そのまま力技で右舷方向に漕ぎ進むべきだったようです。
でもエディ内の流れに乗っていれば、鯛崎島の西岸=宮窪地区の正面方向に
運ばれそうだったので下手にジタバタはせず、ゆるーく漕いでいると
2~3分で 比較的穏やかなエリアに出れました。
まあ無事だったから結果オーライですね、リカバーが必要な事も無かったですし。
そこから鯛崎島を越える位まではどうって事の無い水面だったのですが、
その先 鯛崎島と、次の目的地の宮窪地区の中間点辺りでは
今 僕を運んだ潮流が、防波堤みたいに東西に伸びている宮窪エリアに
一旦ブチ当たって戻って来るからでしょうか、強烈なボイルと、でっかい渦潮が
ええエディではありません、う・ず・し・お が、発生していました。
3回ほどモロに巻き込まれて艇を回されましたが、一番でかい奴は
艇の先端から渦の端が1m位有りましたから、直径7m前後あったのでしょうね。
(上図緑矢印方向)の写真の中央から2時の方向にもデカイのが写っています。
いやあ~ でっかいFunと、チョビッとのThrillを味わえました、能島サイコー!。


そしてそのまま漕ぎ下り、村上水軍博物館のほぼ真ん前にある浜に上陸します、
殺風景な浜に見えますが、実は非常に整備された綺麗な浜でした。
前回の大島では大潮の潮位を舐めていた為、艇を流してしまう寸前で (ry


上陸して徒歩1分、ここが村上水軍博物館です 入館料300円、やっすっ。

 
そう大きなパビリオンでは無かったのですが、内容はなかなか充実していました。
開館の9時ジャストに伺って、入館早々に鎧体験をスタッフの方にお願いします
日曜ということで、混み合っちゃうと、着せてくれえなんて頼み難いですからね、
ただ残念な事に、人間がピンボケなので、写真も右に倣えになっちゃいました。
さて 展示物ですが、海賊衆の興亡と、その辿った歴史が判り易く陳列されており、
日本中世史好きの僕としては、大変面白く拝見させて頂きました。
ただ、海賊衆を単なる既得権益者、暴力的権力者として紹介せずに、
関銭を徴収するにしても、その見返りとして水先案内をかって出ていた等の
「技能と金銭の等価交換」をしていた点をもうチッと紹介して欲しかったかも。
この点については7月19日より「海賊働きとは?-村上海賊って悪者?-」として
特別展示で行われるそうです、あら 見れなくて残念だわあ。
1時間の滞在予定が30分もオーバーするほど熱心に見て回っちゃったもので、
本当は1Fのカフェで サザエ丼を食す積りだったのが時間切れ トホホ。
これも残念だったわあ で、後ろ髪を引かれつつ売店で
村上氏の家紋入り今治タオルを土産に買うに留め、結局10時45分に再出発。


そしてあとは ひたすら 漕ぐ漕ぐ漕ぐ でした。
天気もすっかり回復して 雨上がりの匂いがします、風は追い風、
心配していた12時を超えてからの逆潮も、
選んだ海域が正解だったようで殆ど感じられない程度です。
上の写真は弓削島の商船学校を超えた所の港で、ここまで来たら
小学校がある岬を回って、昨日の軍艦の横を抜ければもう折古の浜ですから
今回のツアーも終わりです、嬉しいような 残念なような。
結局 休憩しつつ約19kmを3時間で帰って来れました、帰着時間は13時40分。


そして最後のお楽しみ はっさく大福です、でした、でしたが… 
15時前にお店に行ったら「本日分売り切れ」の張り紙が、
念の為 中に入って話を聞いてみると1時間くらい前に売り切れたとの事。
仕方ないので しまなみに乗って、土産を買おうと大浜PAに入ってみると
ありました、ただし「はっさく屋」さんではなく「松愛堂」さんのでしたけど。
家に帰ってから食べ比べてみると… 厳しい事を言うと、似て非なるものです。
「餡が甘すぎてハッサクの匂いを殺してる」「餅から蜜柑の匂いがしない」
「はっさく自体が、あまりシャキシャキしていない」と家族からもダメ出しの嵐。
人生で最初に食べた「はっさく入り大福」がコレだったら、
「まあ こんなモンでしょ」と納得してたかも知れません、ただ次はないかもです。
だってこの程度では よくある田舎の和菓子に過ぎないですから。
でもその点「はっさく屋さんの はっさく大福」はセンセーショナルでした、
具材個々の味わいは主張が強いのに、商品として破綻していない点、
改めてバランスの妙を感じますね。
また基本コンセプトに「八朔の香りを、如何に鮮やかに表現するか」ってな
設計思想が伺われ、その地元愛ぶりも非常に好感が持てるのです。
だって他所様に「これ御土産です」って渡すのに、何処にでもあるようなモノを
出すのは詰まらないじゃないですか、その点このローカル色は極めて適切なのです。
以上 針屋、甘味について熱く語るでした。

次回のツアーは笠岡諸島方面の積りでしたが、急遽変更します。
尾道の 加島、百島方面にします、そして はっさく屋さんに再訪です、
勿論 電話予約の上で です「すんませーん 20個、取り置きで…」。

記録:キャンプ7/10泊 ・ ぷかり19/30回
7月第一週の週末は事務仕事三昧で、海に出れずに鬱屈した1日を過ごしました。
で、気分を晴らすべく ちょっと今回もハードなルート設定をしました、
題して「第3弾!大潮の激流を見に行こうツアー」です。

2年前になりますが、ヤフオクで落札した自動車を引き取りに淡路島に出向いた際、
最強になると聞いた「春分の大潮の鳴門の渦潮」を家族で見に行ったのが 第1弾。
この折は流石にカヤックではなく「潮流体験ツアー」ってヤツでしたけどね。
そして2週間前の週末に「大潮の来島海峡」を見聞しに行ったのが 第2弾。
そして今回「船折瀬戸」を味わいに行ったのが 第3弾なワケで、
これでやっと瀬戸内の3大潮流の全てを見に行けた事になります。
しかも満月の大潮… 悟空ならずとも オラなんだかワクワクしてきたぞ です。

さて来週の3連休の話ですが「10時間耐久パドリング」にトライする予定です。
なので、それに向け体力を温存しておきたい事から漕ぎの距離は控えめにして
土曜日は21.5km、日曜は24kmのルートで設定しました、
何しろ先々週の大潮のツアーでは欲張った距離を設定して辛かったですから。
確かに逆潮のエリアを避けておけば、大幅に体力を削られる事は無いにせよ、
大潮によるパワーが強い潮流が、ボイルだの、変な方向からの波だの、
中潮以下のパワーでは現れない「ヤなの」を所々で産んじゃいます、
ソレに対処するのに 艇を体幹でコントロールする事になるんですが
この作業に結構 スタミナを奪われちゃう事を思い知らされたんですよね。

そして今回も
「能島に上陸して「水軍城跡」を辿りつつ、目下の激流を高みの見物」
「そのまま南下『村上水軍博物館』を見学」
「リクエストされている はっさく大福の買出し」と、観光プランは盛り沢山です。
ただ、同行頂くバラキさんは
「20kmを3時間はキツイので、御自身は先に出発しておく」
「博物館に興味は無いから日曜日はお互い単独行動で」との事で
今回は一緒にキャンプをする「見近島での 集合&解散」の予定でした。


さて今回の計画の成否を分けるキモは17時25分頃の鼻栗瀬戸での転流で、
「この時間までに難所を抜け、三小島って場所で目前の灘の転流を待つ」
これが出来るかどうかでした。
そもそも キャンプ地の見近島周辺、そして手前の鼻栗瀬戸の辺は潮流が複雑で、
途中まで追い潮で来れても、瀬戸を超えると逆潮になる ってな風ですし、
ましてや大潮みたくパワフルな日は、とても逆潮を漕ぎ上がれやしませんから
海況によっては 「要潮待ち」と、非常にプランが立てにくいエリアなんです。
それが今回は、向島の立花から出たのでは間に合わないものの、
橋を渡って 因島の折古の浜からだと、僕の漕力の6km/hなら、
前回の来島海峡と同じく ほぼ潮止まりのタイミングで問題のエリアに辿り着ける
年のうちでも 数少ない貴重なチャンスの土日だったんです。

そんな事情を背景に、大急ぎでR2バイパスを走り 因島に向います。
仕事が早く終わった為、14時前に折古の浜に到着できました イイ感じです。
駐車場を見渡すと あれ?先に出発している筈のバラキさんの車がない??
まあ 何か急用でも入ったのでしょう、と 単独行の積りで出港準備を始めます。
よし予定通り30分に出せそう… と、いつになくキビキビ作業をしていると
「おーい」と聞き慣れた声…あら?バラキさんです。
何でもトアル作業に熱中していて遅れてしまったそうです。
ならば一緒に行きますか と待つこと暫し、結局15時丁度の出発です。
下の写真の場所は折古の浜から 少し行った因島のドッグです、軍艦デケエ。
このように土曜日はピーカンでもなく の、非常にカヤック向きの天気でした。


岩城島のフェリー乗り場、思わず「や~まだ~」と言ってしまう僕は40年生まれ。


スタートで30分遅れた事で「鼻栗瀬戸の難所で逆潮に ぶつかるかも」と、
若干の不安は有ったのですが「まあ 道中追い潮だし、間に合うかな~」と、
まあ 軽~く考えていました、だからバラキさん待ちの間に
下の2枚「瀬戸から見た来し方行く末」の写真を撮っている余裕も有りました。
時間は5時45分、見ての通り まだ逆潮のパワーは微妙でしかありません。
来し方
行く末

結局 鼻栗瀬戸でも難所中の難所、この橋の袂にバラキさんと
二人で揃ったのが 予定より30分少々遅れの6時過ぎ、
本来この時間には この橋を越えて「行く末」の写真の中央辺りの
3つ並んだ島の所にいないとマズかったのですが…。
実は上の写真を撮り終えた3分後位かな?それまで静止していた艇が
「来し方」に流され始めて「あ~マズイかも~」とは思っていました、
でもまだその程度、軽く考えてました。
そして「行く末」の右辺りに有る島影から対岸に渡ろうとすると、
フェリーしないと「来し方」に戻されるほどの流れが…
ようやく顔色が変わりました「うーわっ めっちゃ逆潮やんけえー」
人間焦ると本性が出ます、関西弁も出るってモンです。
状況は川での漕ぎ上がりと似てますから、同じ技術論で解決できる筈ですが、
悩ましい事に足掛かりに出来るような いい具合の岩陰も、エディも有りません。
仕方ないですから次善の策として、ボイルの縁をエディに見立てて、
その間を縫って漕ぎ上がろうとしましたが、ふとGPSを見てみると、
富士樹海に入った時の方位磁針みたいに、有らぬ方をグリグリ指します。
え~壊れたのかあ~?と思いましたが、横を見ると景色が変わっていない、
つまり一生懸命漕いでても、押し戻されーの、回されーのだった為に、
GPS上の自艇も迷走していたようです。
って事は7~8km/h位の流れを溯上しようとしてた事になりますね。
この間 約800m、何とか反対流を見つける事が出来て脱出できましたが
通常なら10分掛からない筈なのに、実に小一時間掛かりました。
いやー疲れました、橋を越えた所の浜で5分ほど小休憩した後
2人してゾンビみたいな顔色で、キャンプ地の見近島に向います。
幸いこちらは追い潮で2.8kmを20分位で楽々と到着できました。
見近島と
&能島
 
見近島の対岸には「伯方SCパーク」という道の駅が有って
ウェブで見ると併設されたレストハウスが中々充実しているようでした。
ここで土産の一つでも選ぶか、ソフトクリームの一つでも食したかったのですが
営業時間が17時迄と、御縁が無かったのは残念でしたね~
…すいません強がりです、実際は とにかく早くテントを設営したかったです。
当初キャンプ地候補だった能島も「指呼の間」に迫っていたのですが、
時間的にも 気力的にも「もうもう 無理~」な状態でした。

さてこの見近島について事前にウェブで情報を調べてみると、
無料なのに(近隣のキャンプ場は1000円~)しっかりと整備されていて、
しかも自転車か、バイクか、徒歩でないと入れない為
バイカーやチャリダーの御用達になっているようでした。
って事は シャコタンの車で乗り付ける ヤンキー小僧達の
ロケット花火なんかに煩わされる事も無いであろう、よさ気な場所です。
ただこのエリア全体で「瀬戸内しまのわ2014」ってイベント中ですから
下の写真みたいな 押すな押すなの大混雑かな… と予想していたら
予想

学生さん達の休み前だからでしょうか、この写真ほどには混んで無かったです。
数えてみると テントは僕らも入れて全部で12張だったのですが、
日曜が雨の予報だった事から考えると、結構賑わっていたように思います。
期待通り大人な方ばかりだったようで、バカ騒ぎも無く静かな島の夜でした。
よって今回のレレはTheBoomを中心に、遠慮がちに声量を絞って楽しみました、
ええ 僕も いい大人ですから。
諸事情で生鮮の買出しに行けなかったので、晩御飯は質素な内容です。
次回はそろそろ 鶏スキ位のマトモな宴会Verのメニューにしたいなあ
アウトドアでの食事も、キャンプの楽しみの一つですからね。
近場の 本島か、北木島辺りでのキャンプの時にでもやろうかな。
そんなでウクレレを弾きつつ、雑談に興じつつの間に、21時を回りました。
本日の激潮時間帯です、さてどんなか と覗いてみると…
うーん 見近島の辺りは広いからかあまり「激流」って感じがしませんでした、
「確かに流れとるなあ~」レベルです、激流は明日のお楽しみって事ですね。
さて日曜は7時30分には出発したいので、6時起床としました。
体力温存のため 22時に就寝、この頃からポツポツ雨がフライを叩き始めます。
そして風がすごい!どうもこの海域にバラキさんと来ると強風が吹くようです。
実は前回のキャンプで愛用のテントのグラス製ポールが割れたので
今回は予備のソロテントを投入していたんです。
このテントは狭くてあまり好きではないのですが、
こちらはジュラのポール&魚座型フレームなので風にはずっと有利です。
この安心感から、多少フレームが撓んでも気にせずにいられました。
なんだか良いことも悪いことも「ワンプレートでやって」来た様な1日でしたねー。
疲れていたのでしょう、最後の記憶は時計が10時15分を指しているな、でした。

本日の教訓
《タイトで シビアなツアープランは、ソロ行きの時のみ立案する事》
 (自分独りならまだしも、他人さんまでゾンビにするのは目覚めが悪い…)
さて目覚ましが4時20分に鳴ります、最近の僕のトレンドは早め早めです。
6月29日は出だし逆潮の予定でしたが、前回の記事の通り
早く行動した分距離を稼げたので、スムーズなプランが組めました。
図1

上の図1の青いラインが29日の行程です。
4時30分に起床、早すぎて食欲が無いのでパン1ケとコーヒーで朝食。
撤収に45分掛かったので、5時15分に バームを飲んでから出航。
小島を反時計回りに廻り、しばし今治大橋を「でけー」と眺めます。
橋近の水面が荒れているのが判りますか?4~5ノット有るようでした。
早朝の橋

その後、小島の東の岬から2時の方向に航路を横断。
これまたラッキーな事に僕が航路に差し掛かる前に、大型船が団体で通過、
その後しばらくの間は途切れてくれたお陰で、待ち時間ゼロで済みました。
ここから津島の小島鼻を目指します。

小島鼻からは、大三島の ふるさと憩の家前の浜に向い11時の方向に転針します。
計算通り7時前にココに辿りつけたので、先ずは一安心。
と言うのも 6時53分に 潮止まり=南行に転流するのですが、
前回のブログに書いた通り、今治東岸エリアで南行(逆潮)に転じたとは、
すなわち大崎上島東岸エリアで北行(追潮)に転じたって事なんですね。
だから裏しまなみ海道を越えれば、潮流に背中を押されて楽々なのですが、
越えるまでは、逆に時間が経つほど逆潮がハンパなくきつくなって行く訳です。
だからなんとか転流直後の約1時間の潮止まりの内に
この大三島~大上島間の海峡部に差し掛かりたかったんですね
いや早起きの甲斐があったってもんです。

日曜日の第1回目の休憩は、この分水嶺になっている海峡の本州寄りの
大三島宗方の西に面した浜(浜の名は不明)で取りました。
大型船の動向に緊張しつつ、転流の時間に追われつつの 約15km、
2時間半の漕ぎでしたので、まだ8時前だっていうのにグッタリ。
体力を削られたって言うよりも、精神的に疲れたって感じでした。
ただ ここからは何も考えずに追い潮にのって行けば良いだけの気楽な旅です。

休憩して 心身ともにリカバれたので、大三島の大山祇神社に向います。
これまでは観光系カヤッカーと名乗りつつも、ログトラッカーとしての
面に出てしまい勝ちで
「そんな時間が有ったら」と距離を稼ぎたい気持ちから
ツアー中に物見遊山を組み込めなかったのですが、
今回やっと「いいかげん は 良い加減」を実践できる運びとなり幸甚の至です。
ちなみに実は私、京都の松尾大社の御祭神「大山咋命」と
こちらの大山積命は同一神と思っておりました、別の神様なんですね、
今回下調べして初めて知りました。
6km強の距離を漕いで、B&G大三島の前の浜に置かせてもらって上陸です。

時間は9時過ぎで、この時は上げ潮帯でしたが1時間に10cm程度ですし、
探検時間は90分程度なので 帰ってきたら艇が無いってこたあなかろうと
防波堤のキワキワに寄せて、片道1.5kmを てくてく行きます。
上の図1の陸上の赤い点線です。
PDFとスプレーこそ脱いで行きましたが、アウトドア~んな格好ですから、
お社の荘厳な雰囲気の中では浮きまくりです。
      

先ず参拝して御挨拶をした後、海路の無事を占おうと御神籤を頂きます… 凶。
友人に京都の下鴨神社の御神籤の印刷を一手に引き受けている奴がいまして
彼の話だと 凶なんて100本に1本あるかないかってモノらしいのですが…。
気を取り直して宝物殿で有名な源義経の奉納したと言われている鎧を見学。
実は童友社のプラモで、昔に同じのを持ってたんですよね
引越しのドサクサで10年前に紛れちゃって見つからないんですが。
おー 実物は違う!なんか違う、何がと聞かれれば困るが違います。
そして鶴姫伝説で有名な女性武者が着用したという鎧を見学。
多分身長155cm位、バストが ボーン! ウェストがキュッ!
姫は なかなかのナイスバディだったようです。


神域の馬鹿でかい楠を見た後、道の駅で土産を買って艇に戻ります。
お社の門前に「大漁」と言う有名店が有るのですが、開店前なのに既に行列。
流石に昼過ぎまでカヤックを放っては於けませんので、今回は諦めました。
戻ったら…   あ 艇が波が打ち寄せるたびに汀で揺れています。
下左の写真で艇を置いている場所が、右の写真の赤い丸の所です。
大潮の際の潮が満ちるスピードを読み違えていました、いや危なかった、
大漁の開店を待っていたら、恐らく波間にプカプカだったことでしょうね。
土産と貴重品袋を路にそっと置き、防波堤から飛び降りてカヤックに向います。
これが「凶」の神意だったのかなあ、コレで済んでくれれば良いのですが。


念の為 装備一式をバンドでまとめておいたので、逸失した物は有りませんでした。
幸い満ちても沈みきらないであろう、草が生えているエリアが有ったので
(左の写真の白い車が有るあたり)そこまで運んでアカ汲みをしたのですが、
打ち込んだ波で完全に水舟状態、めちゃくちゃ重かった。。。 
で、一息ついて時計を見ると11時過ぎ、知らん間に2時間近く過ごしています。
浦島太郎もこんな気持だったのかなと。
さて残りは13km足らずなので2時間少々掛かる目算です。
12時20分に転流ですから、急いで出航しないとモロに逆潮に遭っちゃうぜ と
慌てて朝食用だった残り物のパンを詰め込んで燃料を補給し、艇を出します。

道中の阿波島は泊地としてどうだ? とスカウトしながら帰路を辿ります。
いい感じの砂浜が沢山ある島なのですが、ちょっと陸地から近すぎるかな?
残念ですが使う機会は無いかも です。
ユックリ漕いで出港地に帰着、本日の総行程は32.5kmでした。
結構長い距離を漕いだ筈ですが、超越的に早起きだった事と、
途中の休憩が長かったお陰なのか、さほど「つーかーれーたー。。。」って
感じはしませんでした。
ただ 翌日に、珍しく上腕と臀部の筋にけっこう痛みが出てきましたから、
負荷自体はソコソコ掛かっていたんでしょうね。
おそらく大潮の為なのでしょう、思いもよらない所に急に波が立って、
その度にブレイスして抑えこんだり、リーンさせてバランスを取ったりですから
それが堪えたのかなと思われます。
撤収完了が14時30分、帰り着いたら16時00分 いい休日でした。

記録:キャンプ6/10泊 ・ ぷかり17/30回

今回のツアーの教訓

A)大潮の日のツアープランは30kmまでにしておく
B)大潮の潮位を軽く見ない
C)小さな命も大切に
D)御神籤をバカにしない
28日は大潮でした。
今回は竹原の的場海水浴場から来島までの往復キャンプに行ってきました。
ルートとしては大崎上島の東岸を往復&来島辺りを一回りって形になります。
下の図1 の赤いラインが土曜日の行程、緑のラインが土曜日に伸ばした距離分、
青のラインが日曜日の行程、青のラインから伸びた赤の点線が陸路です。
図1 6月28&29日の全行程

総行程は2日計で約57km足らずです、まあ手ごろです、距離的には ね。
大胆な話ですが、一度「大潮の来島海峡」ってのを見てみたかったんです。
ただし「おースゲーなあ」と眺めに行くのが目的(何しろ観光系ですから)で、
時に10ノットにもなると言うキッツイのに揉まれに行く気は更々有りません。
イイ年をして自分の力量以上の事 すなわち 無謀な事はできませんからね。
 
このルートは これまでも何度かプランしたのですが、断念の連続でした。
このエリアの南北の潮流は、裏しまなみ海道を境に逆向きに流れるんですね。
なので航路のド真ん中で逆潮の中 強引に漕ぎきれる気はしないですし、
かと言って、潮待ちをするプランでは キャンプ地での設営終了が
日没に間に合わなくなるってな、そんな条件ばかりだったんです。

その点で 今回は計算上 行動時間帯に大変旨味があったんです。
出港場所から、今治の対岸で裏しまなみ海道東端の大下島までが16.5km。
追い潮&自分の平均時速6km強&休憩15分で、所要時間合計約2.5時間。
15時30分出港なら、潮流が逆転する18時に潮待ちポイントに到着… 
偶然の賜物なのですが、まるで計ったかのようなタイミングの良さです。
で、実際なのですが、少し仕事が早く終わったので30分程早く、
出航場所の的場海岸に到着できたので、そのまま前倒しで15時に出航。
道中は風も殆ど無く、当初曇天でしたが17時頃から薄日が差してきました。
やはり日が差す中での 6~7月のパドリングは最高に気分が良いものです。
薄日

繰り上げた時間のまま17時10分に潮待ちポイントに到着しました。
上の図1 の赤い「×」の所がソレです。
ノンビリしようかとも思ったのですが… 航路に全然船影が見当たらないのと、
潮止まり近くで 余り潮流の影響を感じなかったの2点の理由で、強行します。
意外とあっさり渡りきり後ろを見ると、ををっ結構な数の船舶、正解でした。

さて当初は今治の先端部「大角海浜公園キャンプ場」に設営する
(上の図1 の小さい赤い丸の所)予定だったのですが、
ここだと明日の初っ端に、逆潮を突いて1時間漕ぐことになります。
現地沖に着いて時計を見ると、18時15分… 時間の余裕も有ることなので、
あと1時間漕ごう!と気合を入れて来島の横にある「小島」って所に変更。
上図の緑のラインです、これで明日の初っ端がすごく楽になります。
独りキャンプは寂しいキャンプですが、こう言った自由度の高さが魅力です。
具体的には「風の顔キャンプ場」と言うキャンプ場を使わせて貰いました。


ココは本来有料のサイトらしくて、勝手に入り込むのは若干抵抗が有りましたが
シーズン中でない為か、トイレは施錠、水道はツマミLessって状態だったので
まあ軒先を借りるだけって事で、御容赦頂こう とコソッと設営。
曇りなので設営が終わった19時45分には、結構暗くなってきました。
来島

今回は独りなので、レトルトのカレーで簡単な夜食です。
食器を洗おうと20時過ぎに浜に出ようとすると、浜がほとんど消えています、
上陸時は広い所で20m以上有ったのですが…
それに つい目の前の潮の流れも上陸時と比べて明らかに速くなっていきます。
うーん 絶対漕ぎ上がれんわあ と 汚れた鍋を手に、しばし見惚れていました。
洗い物の後は その瀬音をバックに今回は、泊地 今治が生んだディーバ、
SuperFryを1時間ほどウクレレで歌い、早いですが21時に就寝。
何しろ翌 日曜日の朝は、潮の都合で4時20分起床、5時出発ですから。
ところが一度寝たら気がついたら朝な僕ですが、無い事に目が覚めました。
時計を見るとまだ1時間程度しか経っていません。
なんでかなとボーっとしていると、聞きなれない音が?よくよく聴いてみると
結構大きな瀬音的なモノで、調べようと出てみると…最盛期の潮流の音でした。
鈍感な僕でも、流石に聞き慣れない危険な音には反応したって事なのでしょう、
こりゃ凄い!と写真も撮ったのですが…暗くて何が何だかな出来でした、残念。
「やはり名高い来島海峡、エゲツナイわあ!」と、独り興奮していました。

ところで今回改めて大潮時の潮位変化の激しさを身を以て知りました。
先に書いた通り「無断で入るのは…なあ」と、ビビり 常識的な僕は、
当初は防波堤内の通路の切れたエリアに設営しようと思っていたんです。
(下の図2の青い丸が予定地、赤い丸は「風の顔キャンプ場」)
図2

ただソコは小枝そっくりに擬態した尺取り虫が、テンコ盛りでした。
最初は あまりにデキの良い擬態&僕の視力が酷いのコラボで
全く気付かなかったのですが、よく見れば30や40ではきかない数です。
それも畳 2枚位のスペースの中にです、げー 。
虫さん

あまりに気味が悪くて、ごめんやっしゃ と上記の次第だった訳です。
で最高潮位の24時前「ドーン ドドーン」って音で また目が覚めました。
なんじゃいな と外に出てみると うーわっ
上陸した時に、高い防波堤やなあ と見上げた壁の8割方が浸かっています、
つまり3m近く海面が上がった計算です。
じゃあさっきの設営候補地のままだったらどうなってたの と、
見に行ってみると 路面と海面のさは、まだ50cm程度有ったので、
浸かってしまう事は無さそうでしたが、大きめの波が来る毎にビシャです。
しかも大きめの波は 10秒に1回位きます。
風はほぼ無風だったので潮流が海底に当って起こす波って事なのでしょう。
尺取り虫がいなかったら… エライ目に遭う所でした。
「これも一つの命、やたらと奪うまい」と、足元に気を付けて
尺取り虫を踏まないように気遣った事での因果応報でしょうか?
じゃあ僕が地獄に落ちたら、下がってくるのは この虫の糸かなあ…
それは それで、複雑。


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