僕のカヤックの旅の終了時期は例年「最低気温が5℃を割り込んだら」です、
なので今年は12月に入ったとたん終了となりました。
これは一昨年のキャンプ時に、寒いなあ とシュラフの中で震えた翌朝に
大風邪をひいてズビズバゲホゲホになって以降、決めた線引きなんです、
個人事業主が 自己管理の不徹底で寝込むのは、流石に拙いですから。
ただその気候でのキャンプは本当に無茶なのか?工夫の付け様はないのか?と
悩んでもいました、なにしろネオンの巷や、お馬遊びに玉遊びとは、
縁の無い僕にとってキャンプは ほぼ唯一の愉しみ事ですから。
でも去年は「しょうがないじゃん」と諦めてたんですね、
やはり12月にもなって、海水で濡れた上に、風呂にも入らず冷え切った体で
テント泊するのは、あまり堅気の振る舞いとは言えそうになかったですから。
そんなで工夫が付いた所で、カヤックでのツーリングに出動する可能性が
低いものですから、本気で工夫を考えてなかったってのがホントの所です。
それがマジに悩み始めた と言うか、工夫の一つもするか と考え始めた理由は
今年の秋にスクーターキャンプの愉しみを覚えた事が大きいんですね。
スクーターなら雨にさえ遭わなければ、体調の心配をしなくて済みそうですし、
最悪降られてどうしようもなくなっても、カプセルホテルでも何でも
逃げ場が用意できる点からも、家族を説得し易くもありますしね。
とは言え それらはあくまでも緊急避難的な選択なんです、
基本的にはテント泊がしたいんですよ、その方が愉しいですしね。
そこで机上で考えた工夫で、ホントに氷点下でも耐えられるものなのか?
実際に検証してみよう、ただし逃げ場を用意した上で… と言う事で、
衆院選が行われた12月13日、最低気温-1℃の予報の中、
寒くてダメならすぐ風呂に入れるようにして、自宅の庭でのテント泊です。
あわせて「冷気さえ遮断すればフルメッシュでも厳冬期に使用可能では?」を
検証する為、使うテントは「BUNDOKソロ」としました。
日が傾いて寒くなると、このプラン自体に嫌気が差しそうなので、
土曜日の仕事が終わって間なしの14時に設営を始めました、が、
寒い~っ 温度計は3℃を指しています、アルミポールを持つ手が凍えます。
少し気分にブルーが入りましたが、とにかく冷気遮断セッティングをしてみます。
前回のキャンプ時は、最低気温が13℃と初冬にしては大変暖かだったのに
腰周りだけ妙に寒かった事から、今回のセッティングでは
「下方向への熱放散の防止」に気を使う事にしました。
一方 天井方向への放射熱は従来通りの形でも何とかなるかな?の仮定です。
フットプリントは無しでテントを組み、
フロア上に薄いシルバーシート①(アルミ蒸着ロール)をひきます。
その際アルミ蒸着面を上にして体温=赤外線が反射するようにしました。
そして愛用のノースイーグルのインフレーターマットを置き、
その上にもう一枚上記と同じ番手のシルバーシート②を同様にひき、
その上にスナグパックの「下限使用温度-7℃」のシュラフを置きます。
そしてペットボトルに熱々の茶を入れてシュラフの中に転がしておきます、
湯タンポがわり 兼 夜半の飲み物の目的です。
本来ならエアマットの下に、折畳みのフォームマットを仕込んだ上で、
シュラフカバーを使うか、夏用のシュラフの重ね使いをしたい所ですが、
僕のカヤックでは、それだけのアイテムを携行するのが難しいんですね。
おそらくこの先の人生においても、厳冬期にカヤックキャンプを行うような
勇者にはなれないでしょうけど、こんな機会はそうそう無いでしょうから
折角なので「カヤックで携行できる荷物だけでのキャンプは 可能か否か」の
データーだけでも取りたかったんです。
なので些か御粗末な装備ですが、こんなで実験する事にしました。
とは言え、カヤック仕様の装備のみの使用に拘った結果、寒さに耐え切れず、
結局 途中リタイアしてデーターが取れない ってな事では本末転倒ですね。
なのでカヤックのウェアを着込んだまま就寝は出来ませんが、
スクーター乗車時に着る、分厚いコートと、オーバーパンツなら、
着たままで寝袋に入ってもおかしくありませんよね って話で、
「カヤックで運べる現有アイテムでは、氷点下に耐えられない事が判った」
「じゃあスクーター仕様なら耐えれるの?」のって時の 検証の為に、
これら2点は着用はせずに、テント内の片隅に転がして置く事にしました。
それでも耐えられずに庭から自宅内に逃げ戻った時ですか?
もっと限界の高いシュラフ(スパイラルホロウバッグ♯1くらいか?)と、
R値の高いマット(ULコンフォードシステムパッドくらいか?)を、
新規購入して、この冬の内にリトライしてみたいと思います。
いざ設営を終えてみると、いつもとさして代わり映えしない出来です、
ホンマに大丈夫かいな と一抹の不安を残しつつ夜を待ちます。
よーるー by谷岡ヤスジ。
軽く一杯引っ掛けた上で、いつもより長風呂をして体温を上げておきました、
時計を見ると23時、外気温は2℃… ん?1時間前は0.4℃でしたから、
微妙に温度が上がっています、雲が出たお陰で放射冷却が抑えられたのかな?
でも熱源が有るでなし何故だろう?? 不思議に思いながら庭に出ます。
服装も冬の通常のカヤックツアー仕様です、ヒートテックのロングTシャツに、
普通のコットンのスウェットの上下、厚目のフリースの上着を着て、
フリースの靴下を履きます。
テントに潜り込んでさあ寝るかと30分、微妙に胴体が寒く寝付けません。
体温がシュラフの下からではなくカバーされていない横から逃げているのか?
では と、シュラフの下にひいていたシルバーシート②をシュラフの中に入れ
胴体に巻き付けるようにして寝転がると… ををっぜんぜん違うなあ、
現金なものでスグに睡魔に襲われ、0時頃(たぶん)入眠しました。
寒くて目が醒めます。
フライの外に吊るした寒暖計は-1.2℃を指しています、時刻は04時。
仰向けに寝ていたのですが、体の下面の寒さの方がキツく感じます、
なのでシルバーシート①を2つ折りにしてR値を2倍にします。
まあ2倍と言っても、そもそもモノが薄っすいですからね~
R値が0.1から0.2になって如何ほどの違いが期待できる?でしたが
アルミの層が2倍になる事で赤外線の反射率が上がった為なのでしょうか
意外と有効なようです。
そして全身をカバーできていたモノが半分の長さになるのですから、
その範疇に収まるように、横臥位&海老の様に丸まります。
R値が増えたのが良かったのか、丸まって表面積が減ったのが良かったのか
ポカポカ感と眠気が連れもって戻ってきてくれました、再度入眠。
寒くて目が覚めます。
フライの外に吊るした寒暖計は-1.8℃を指しています、時刻は05時。
寝返りを打ったり、手足を蝿の様にこすりますがダメです、
このままでは寝られそうに無いですが、もうこれ以上打つ手も無く、
カヤックキャンプ∨er.は GameOverとし、スクーター∨er.に変更します。
一度シュラフから出て、シルバーシート①と②を元の配置に戻し、
オーバーズボンとコートを着込んでからシュラフに戻り、仰臥位で再度就寝。
重ね着が良かったのか、ゴソゴソ動いたお陰で体温が上がったのか
その辺りは微妙ですが、たちまち体は温まってきます。
ただ体は温かくなったのですが足首から先が寒い、これには若い衆みたく
オーバーズボンを「腰パン状態」にしての対応で解決、全身ホカホカです。
そして次に目が覚めたのは「朝やで」のウチの奥さんの声で、でした。
爆眠していたようです、時計を見ると6時15分。
テントにも庭にも 霜がビシビシに降りています、吾郎さんだったら泣いちゃうかも。
車の上もビッシビシ
以上から-2℃程度までは、05時に行ったセッティングでなら、
スクーターでのキャンプが可能である事が判明しました。
あとはどれだけ僕自身が根性を出せるかですが、これが一番脆弱だったりします。
次回に今回の実験の考察を書きます。
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